ジャイアントペンギンの書庫

保管庫として活用、金色のコルダ3.4の東金千秋と小日向かなでの話しか置いてません·····あとは思いついた事をグダグダ書いてる今日この頃。

巨大な猫を飼い慣らす女の子5

   今日は思い切って小日向のマンションに行く事にした。

   表向きの理由は3日後のファイナルに向けての最終調整に夜に音を出して練習したいからと理由だ・・・。それはあくまでも口実で目的はファイル後にデートに誘う事だが・・・それにはまず俺が小日向の事を知らないといけない。

   誘うにしても行きたい場所とか・・・事前調査が大事だからな!と変に力の入った東金だった。

   今日の食事は鶏の竜田揚げ、茶碗蒸し、小松菜と厚揚げの煮物、ワカメと豆腐の味噌汁だ。

「お魚じゃなくてごめんね?一人だと揚げ物作りにくくて・・・たまに揚げ物食べたくなるから」

「お前が作る物は美味いからな・・・温かいご飯っていいな・・・」

「東金部長・・・帰りに小松菜と厚揚げの煮物と鱈の西京漬、出汁巻き卵、筑前煮持って帰ってね?ちゃんと食べてファイルまで体調管理しないと・・・ベルサイユ宮殿には帰らないの?」

「ベルサイユ・・・違うわ!自宅には親父が反省したら帰る。如月との勝負に水を差されたからな・・・」

「・・・律・・・真面目だから・・・落ち込んでるかな・・・ファイナル終わったら会おうかな・・・」

「あかん・・・」

「へっ?うるさいお兄ちゃんだけど・・・元気出して欲しいから」

「お兄ちゃん・・・だったら俺も心配やから行く」

「??ライバルだから?」

「色々と心配やからや!」

「うっうん。東金部長?さっきから関西弁解禁みたいだけど・・・?」

「お前のせいや!」

「??うん。ごめんね?」

「ファイナル終わったらな?どっか行くか・・・?」

「?どっかって・・・どこに?」

「どっか行きたいとこないんか?」

「・・・・・・えっと・・・沖縄?楽しかったからゆっくり行ってみたいな・・・」

「分かった」

   食事を済ませ、東金は広いリビングで練習を始めた・・・じっと東金を見つめてみる・・・絵になるなと思った。人の美醜はあまり気にならないがやっぱり東金は違うと思ってしまう。なんでだろう・・・やっぱり好きな音だからかな?夜景が似合うからかな?女の子達が夢中になるの分かるな・・・と感心しながら見ていた。

   練習が一区切りついた。

「なんだよ」

   東金がうっすらと赤い顔で呟いた。

「うん。東金部長ってかっこいいなって・・・モテるはずだよね・・・」

「そうか・・・お前ってそういうの感じない方かと思ったのにな」

「そんな事ないよ?かっこいいのは分かるよ。いいな・・・自然体でかっこいいなんて羨ましい・・・私なんて巨大な猫を背負ってちょっとモテるかな?ぐらいだよ?自然体で華がある人って羨ましい・・・」

   その日は小日向にかっこいいと言われて浮かれて帰宅した。

   最近、小日向の話し方が柔らかい気がするな。距離が近づいたような・・・顔に似合わずお節介でオカン気質だから俺が心配だから優しいのかもな・・・ベルサイユ宮殿には帰らんとこ。

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   なんだろう?今日の東金部長は子供っぽかった気がする・・・?

   まぁ仲良くなってきた?のかな・・・。

   今日は東金部長の練習をじっくりと見れるいい機会だったな。東金部長は本当にヴァイオリンを楽しそうに弾いてるな・・・。私は楽しい気持ちの時以外は吐き出してる感じだから・・・。    

   いいな・・・東金部長・・・明日、どうしたらそんな風に弾けるか聞いてみよう。

   お弁当もうっかり作ってあげる約束またしちゃったし、何作ろうかな・・・東金部長は男の人だから沢山食べるから。

   最近、東金部長の事ばっかり考えてる。冥加の事を考えてる時とは違い、東金部長の事を考えて弾くと花が咲く・・・色んな花が・・・桜のような花、百合っぽいの、薔薇、ミモザ、青くて小さいネモフィラ、色とりどりの花たち・・・東金部長はもしかしたら私の癒しなのかもしれない・・・。

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「最近、小日向ちゃん調子いいね」

「そうですね、東金部長と一緒だと癒されるので」

「・・・・・・・・・千秋が癒し?」

「そうです東金部長と一緒だと癒されるんですよ・・・だからマエストロフィールドが花だらけになるんですよね・・・花って綺麗だし好き」

   うーん?悩みながら土岐が歩く。

   なんやろ?しっくりこない・・・癒しで花なんかな・・・とりあえず千秋と話そ。

   千秋はちょっと用事がある・・・と今日は練習に遅れてくる予定だ。

   昼ごはんは小日向ちゃんがお弁当作ってくれるから必ず昼までには来る!と断言していた。

   小日向ちゃんは芹沢とラ・カンパネラを合わせているので部室で休むから・・・と仮病を使い千秋を待つ。

ガチャ────

「・・・?蓬生、調子悪いのか?」

「ううん。仮病、千秋に聞きたい事があってな・・・千秋?小日向ちゃんがな・・・」

「なんや仮病か・・・で小日向が?!」

「千秋と一緒だと癒されるって・・・」

「俺が癒し??」

「うん、さっきそう言ってた小日向ちゃんな・・・あの子が恋するまで相当時間かかりそうやからな・・・嫌われてないみたいやし・・・千秋、短気やから急ぎ過ぎたらあかんって言っておきたくてな」

「癒し・・・?癒しな・・・」

「そう癒し・・・こんなでかい男やのにな・・・小日向ちゃん不思議やわ。それと花が好きやて、千秋に癒されて花だらけのマエストロフィールドになるって言ってたわ、花プレゼントしたらええんちゃう?」

   小日向が芹沢との練習が終わった頃にお昼ご飯の時間になった。

「あっ東金部長・・・お弁当食べる?」

「食べる」

「お天気いいから外で食べる?」

「そうだな」

   二人して公園のベンチに座って食べる。

「今日も美味かった」

「うん・・・東金部長・・・ちょっとしたい事があるんだけど・・・いいかな?」

「なんだ?」

「ちょっと寄りかかっていいかな?肩貸して欲しいな・・・」

   頭が真っ白になった。

   肩貸してって・・・甘えられてる?!照れる・・・  

   戸惑っている間に返事が遅れてしまった。

「・・・ごめん・・・嫌だったよね」

「そんな事ない。ちょっと驚いただけや」

「・・・いいの?」

「あぁ」

   ドキドキするな・・・ポーカーフェイスできるかな・・・

「ありがとう」

   小日向が東金の肩に頭を乗せてきた、ふんわりと甘い匂いがする。シャンプー?フレグランス?甘くてフローラル系な香りがする。

「・・・東金部長ちょっと明後日のファイナル緊張する。今は安定してしてるけど本番がちょっと怖い・・・冥加さんと勝負になるし死神出しちゃったらどうしよう」

   あ、甘えられてるというより怖いんやな・・・不安なんか・・・でも可愛い。

「大丈夫や・・・俺と一緒やと花が多いんやろ?」

「うん。東金部長と一緒だと癒される・・・ぎゅっとされた時の事を思い出したらふわっとした気持ちになる・・・・・・・・・・・・・・・すぅ」

   すぅ?すぅって・・・寝とる・・・一瞬の間に・・・緊張して疲れたんかな・・・

   しばらくして戻らない東金達を土岐、芹沢が迎えに来た。

   東金の肩に寄りかかって寝ている小日向。

   緩んだ顔で小日向を見ている東金の姿を見つけた。 

「千秋・・・・・・イチャイチャというより懐かない猫が懐いてる感じがするんやけど」

「そうですね小日向さんのガードは鉄壁ですもんね」

「可愛ええ・・・俺だけに懐くなんて可愛ええな・・・」✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱

   昨日の記憶を消してしまいたい。

   恥ずかしい・・・東金部長の肩借りて爆睡してしまった・・・。

   東金部長の癒し効果の効力があり過ぎて寝てしまったと思う、多分・・・・・・土岐副部長と芹沢君の生暖かい視線が辛い。

   口開けて間抜けた顔してたかもしれない・・・。

はぁ・・・自宅で一人の時以外は緩んだりしないのに・・・疲れてた・・・疲れてたって事にしてください・・・。

 

────ファイナル前日、練習は好調で、後は練習通りに演奏できれば勝てるはず。

     今夜は東金部長を晩ご飯に誘った、ファイナル前に寂しい食事が気の毒な気がして。

   メニューはいつも通りの和食だけど、こっそりと東金部長の好きな鶏の梅肉あえとれんこんのはさみ揚げは作った。

   今日は小日向が晩御飯に誘ってきた。理由は一緒に弾いてほしいとか資産運用の相談でもなく、ただ食事に誘われた。

   初めてかもしれない食事だけに誘われたのは。嬉しい・・・かなり嬉しい。

   行く前に土岐が言ってた事を思い出した。

   ・・・花が好き・・・か。

────ピンポーン

「どうぞ・・・?なんですか?」

「いつも食べさせてもらってばっかりだから・・・手土産だ」

「・・・ありがとうございます・・・でも立派な鉢植えのハイビスカス・・・重くなかった?それにお高いんじゃ・・・」

「店で見かけた一番立派なハイビスカス選んできた!沖縄・・・思い出せへんか?色はやっぱり赤かなって・・・赤にした。他の色も欲しかったら・・・」

「いえ!こんな立派なハイビスカス一鉢で充分・・・赤・・・部長みたい」

   ハイビスカスを窓際近くに置き食事をする。

   会話は何気ない日常の事ばかり。でも不満はない。

「私、お花好き・・・高層マンションじゃなくて小さくても一戸建てに住んで贅沢だけどイングリッシュガーデンみたいな庭造りしてみたいな・・・おじいちゃん家では少しだけ花壇作ってたの」

「このマンション好きやないんか?」

   こっくりと小日向が頷く。

「ここはセキュリティ万全だから親が住まわせたかっただけなんで・・・こんな高級マンション・・・夜景が綺麗だけどちょっと冷たい感じしてて・・・」

「そうか・・・広すぎるよな一人だとな・・・」

   こっくりとまた小日向が頷く。

「今日からはハイビスカスの紅子と一緒だから少し寂しくないです」

「・・・紅子?ぷっハイビスカスの名前か?」

「サイレントヴァイオリンに名前つけてるくせに・・・赤いから紅子・・・いいじゃない?」

「俺なら・・・スカーレットかな?」

「スカーレット・・・情熱的な女性みたい・・・うーん紅子・・・スカーレット・・・どっちがいいかな・・・ハイビスカス・・・ハイビスカス・・・あっ・・・ビスコ?」

「くっ・・・お前、関西に馴染んできたな・・・でも却下。食べられそうで可哀想やろ?」

   その後もたわいもない話をしたり、テレビを見たり過ごした。

   特別な事は何もしないのに凄く楽しかった。  

   相性がいいと自惚れてもいいんだろうか?小日向も楽しそうに見えた。ファイナルを勝つ事ができたらもう一つ計画がある。それが終わったら告白しよう。

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🎶ピロリロリン

「おはようございます。紅子も元気に咲いています、今日はファイナル勝ちます!」

🎶ピフォン

「俺と一緒だ。勝つに決まってるだろ?」

🎶ピロリロリン

「信じてますけど・・・足元すくわれちゃダメですよ」

🎶ピフォン

「お前もな?」

🎶ピロリロリン

「うっ・・・頑張ります」

   =(´□`)⇒グサッ!!

   ファイナル前に何やってんだろ?と思う。ある意味いつも通りだ。

   ファイナル前にのんびりと4人で話しながら演奏開始時間を待つ。小日向をリラックスさせるための気遣いが感じられた。

   一曲目、最初の演奏は天音学園────

   さすがに国際コンクール常勝の冥加、天宮がいるだけある。

   次は神南高校の番だ 

   序奏とロンド・カプリチオーソ  ヴァイオリニスサラサーテのために書かれ、スペイン出身のサラサーテにちなみスペイン風の要素が取り入れられサン=サーンスの最も人気のある作品の一つだ。

   サン=サーンスは東金の得意としている。華やかにしっとりと聞かせ、蠱惑的な真っ赤な薔薇のマエストロフィールドが舞台に広がった。

   一曲目が終了した時点では勝負は互角・・・次の  

   二曲目で決まる。

   二曲目も天音学園は安定した演奏だ。冥加は素晴らしいヴァイオリニストだ。────性格を除けば・・・

   二曲目に入る前に舞台袖で立つ小日向・・・緊張に飲まれそうに不安そうな顔をしている。

「・・・小日向・・・ハグしてやろうか?」

「えっ!」

「お前、ぎゅっとされた時思い出したらふわっとした気持ちになるって言ってたろ?緊張なくなるかもしれ・・・」

「────やだ・・・何で?そんな事言ってた?」

「覚えてへんのか?」

「寝惚けてただけ・・・恥ずかしい・・・」

「来いよ」

   両手を広げると戸惑いながらも近づき腕の中に収まった。

   本当に懐かない猫が様子を伺いながら甘えてくる様に似ている。

「・・・東金部長って・・・」

「ん?」

「・・・何でもない・・・ごめんね。今だけ・・・今だけだから」

「大丈夫そうか?」

「うん・・・ダメだよね・・・弱っちい自分がヤダ・・・」

「大丈夫だ。大丈夫・・・隣にいるからな」

   最後の曲が始まる。

   小日向が主役────最後だけに緊張しない方がおかしい。

   俺は楽しいがな・・・早く小日向も楽しめるくらいになればいいのに。

   ニコロ・パガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番第3楽章のロンド『ラ・カンパネッラ』名前の Campanella は、イタリア語で「鐘」という意味でだ。

   軽快で超絶技巧が要求される難曲・・・

   小日向と芹沢が見せ場の曲だ。

   軽快な音の中に花が咲く・・・金色の花だ今までとは違う感じで花が開いた途端に弾けて金色の粒子になる。音に合わせて弾けるように砕けて金色の粒子になる。木香薔薇のような小さい花がキラキラと咲いては砕け散る・・・誰も見たことのないマエストロフィールド、一緒に演奏している俺も手を止めて見ていていたい・・・綺麗だ、観客も同じ気持ちだ。

   演奏が終わった後もスタンディング・オベーションが続く。学生コンクールなのに・・・ライブならアンコールに応えたいところだ。

   発表前に控え室に戻りヴァイオリンを片付けた後に小日向に声をかけた・・・

今日の花は金色だったな・・・とても綺麗だった」

   ビクッと小日向が跳ねた。

「どうした?」

「何でもないです・・・発表始まりますね!さぁ観客席に行きましょう!」

「あぁ・・・」 

   挙動不審な小日向・・・どうしたんだろ?

   発表が始まった。

   結果は神南高校の勝ちだ────

   小日向がいなければ負けていた。

   神南高校にとっても俺個人にとっても小日向との出会いは素晴らしいものだ。

   明日は皆に計画について語ろう。

   その前に祝勝会だ────

   祝勝会は星奏学院の如月兄弟、至誠館のメンバーも来てくれて終始おめでたいムードだ。

のに・・・小日向は俺と目すら合わさない・・・微妙に避けられてる・・・。

何故だ?

「小日向・・・どうした?」

   菩提樹寮につき玄関での別れ際に声をかけた。またビクッと跳ねる小日向、一体なんだ!

「なっ何でもないないです・・・今までありがとうございました!ファイナルも終わったので東金部長頼りな自分に反省して強く生きます!」

   走り去るように自室に戻る小日向・・・俺、何かしたか?

   翌日、星奏学院と真のファイナルをしようと皆に言った時も小日向微妙な顔をしていた。

   真のファイナルまで日数も少ない。曲も一曲に決めたし・・・と計画は順調なのに・・・小日向の様子がおかしい・・・。

   理由はその日の昼下がりに予告もなく現れた冥王によって明かされた。

「小日向!貴様・・・見合いをするそうだな!

   共有スペースに冥加の声が響く。

   たまたま星奏学院のメンバーは学院で練習だったので幸いな事にこの場にいなかった。

「何で知ってるんですか・・・ストーカー」

「たまたま知り合いから聞いただけだ!」

「・・・私が見合いしようがしまいが関係ないでしょ?冥加さんは他人だし」

「貴様が・・・東金と付き合うなら諦めるつもりだった・・・家のためになら俺でも構わないだろ!」

「私には私の事情があります・・・何度も言いますが冥加さんは無理です」

   切なそうな顔で冥加は去って行った。あんなに小日向が好きなのに少しだけ可哀想に感じた。

────見合いか・・・だから挙動不審だったのか。土岐、芹沢が黙って共有スペースから姿を消した。気を利かせてくれたようだ。

   壁際のソファに座りテーブルにまた突っ伏してる小日向の頭を撫でてやる。

「見合いって?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・私って・・・結構なお嬢様だったみたいで・・・お父さんのお仕事の関係で結婚を前提にお付き合いしたいって人が現れちゃって・・・びっくりした・・・本当に」

「ソロファイナル後か?」

「ファイナル終わった直後に連絡あってファイナル見てたどっかの馬鹿なボンボンが一目惚れしたみたいで・・・製薬メーカーとか言ってたかな?」

「・・・・・・どうするんや?」

「どうするって・・・」

「お前自身はどうなんや!?」

ゆっくりと顔を上げる小日向・・・

「彼氏ができる千載一遇のチャンス?親孝行できるし?でも・・・」

「・・・・・・誰でもええのか?」

   壁際に追い詰め肘を壁につき小日向が逃げれないように閉じ込めた。

「東金部長・・・・・・・・・?お見合いは・・・」

   不安そうな顔、小さい顔、大きな緑の目、柔らかそうな唇・・・全部知らない誰かのものになる

────許せない───俺の物や!

  そう思うと止めれなかった。

   顔を傾け唇を重ねる・・・小日向は目を見開いたまま固まっている。

「俺は最初は好きなやつって決めてた・・・お前は見合い相手でもええなら構わへんよな?」

   もう一度唇を重ねた今度は唇を開かせ舌を滑り込ます。

   顔を背けようとする小日向の後頭部を押さえて自分が満足するまで唇を解かなかった。

   ぐったりと小日向は脱力して腕の中にいる。

「・・・小日向」

「謝ったらグーパンで殴る・・・腫れ上がった顔で舞台に出たい?」

「小日向?」

「話は最後まで聞いて。お見合いはその場で断ったから。無理矢理させられそうになったら、おじいちゃんに言うもん。おじいちゃんは私の味方だし、お父さんおじいちゃんにはアタマ上がらないから・・・それに最終的には家なんか出る覚悟あるから」

「・・・小日向?だったら何で俺を避けた?」

「・・・・・・お見合い断った理由は好きな人がいるだったから・・・お見合いって言われて最初に嫌だと思って浮かんだのが東金部長で・・・好きだったんだと思ったら急に恥ずかしくなって・・・」

「あほ・・・可愛ええな・・・でも俺はこの半日ほどでかなり落ち込んだ、反省しろ」

「うっ・・・ごめんなさい」

   小日向の両肩に手を乗せ正面から見つめた。

「小日向・・・お前が好きや付き合ってくれ」

「はっはい。気が強くて生意気でもいい?東金部長の前で猫被るのは無理」

「猫被ったままなら好きにならへんかった。あと東金部長はやめろ・・・部長言われてキスしたらなんや悪い事してるみたいで困る」

「えっ・・・えーっと東金さん?」

「なんで付き合ってる女に名字で呼ばれなアカンねん・・・下の名前やろ普通・・・かなで?」

「ひゃい!でも無理・・・今も目合わすのも恥ずかしい・・・真のファイナル大丈夫かな・・・」

 


🎶ポロロン

「千秋~ずっと部屋の外の隅っこで待ってんねんけどー話終わった?」

🎶ピフォン

「終わった。付き合うことになった」

────カチャ

   共有スペースの隅のソファで真っ赤になる小日向と腕組みをして違う方向を見ている東金がいた。

「おめでとうさん・・・?千秋、付き合うことになったんちゃうん?なんで二人して明後日の方向見てんの?千秋は難しい顔しとるし・・・?」

「東金部長の苦労が報われたかと思ったんですが?」

「こいつ自覚したら急に恥ずかしなったって目も合わせられんらしい・・・はぁ・・・可愛ええけどな」

「目合わせなかったら大丈夫のはず、東金部長がキラキラ過ぎるから!直視したら心臓止まるかも・・・」

「小日向ちゃんそれは恋愛フィルターってやつ・・・」

   思案顔で芹沢が

「真のファイナル大丈夫ですか?」

   と至極真っ当な事を聞いた。

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